iPhone の同時録画は横向きで撮れるか
撮れません。DualCam ではできませんし、同じ作り方のアプリの多くも同様です。これは設定メニューに入れ忘れたスイッチではありません。書き出される映像は撮影中に 2 台のカメラ映像が描き込まれる固定サイズのキャンバスで、そのキャンバスは録画が始まるより前に縦長の長方形として定義されています。切り替えられる横向き版というものが存在しないのは、撮った瞬間に正方形へトリミングされた写真に、あとから呼び出せる横向き版が存在しないのと同じです。
似て聞こえる 2 つのことを分けて考える必要があります。iPhone が物理的に 2 台のカメラを同時に動かせるかどうかはハードウェアの話で、チップとマルチカメラセッションが答えを出します。出力が縦か横かはまったく別の話で、2 つのライブ映像を合成するキャンバスの形を、アプリを作った人がどう決めたかという設計の話です。同時録画が縦向き専用なのは後者の話であり、前者ではありません。
最初の 1 ピクセルを描く前から、キャンバスはすでに縦です
DualCam は 2 つのカメラ映像を GPU 上でリアルタイムに合成し、その合成結果のフレームをそのまま動画ファイルに書き込みます。あとから作り直すことはないので、ファインダーで見ているそのフレームが、最終的にファイルに残るフレームです。このキャンバスは幅 1080 ピクセルで、高さは 1920 か 2340——前者は標準の 9:16、後者は最近の iPhone の画面いっぱいに収まるよう少し高くしたものです。どちらも縦向きで、どちらも「横向きキャンバスを回転させたもの」ではありません。キャンバスに許された形はこの 2 つだけです。
合成はライブで行われるため、幅と高さは録画が始まる瞬間に確定し、そのときあなたがどう端末を構えているかから逆算されるわけではありません。端末を横に倒しても、合成器がより横長のキャンバスに切り替わるわけではなく、縦長の長方形を握る角度が変わるだけです。
3 つのレイアウトは縦の枠専用に組まれており、向きを変えられる作りではない
ワイプ、上下分割、左右分割は、それぞれ 16:9 のカメラ映像を縦キャンバスの全体または半分に収めるという、具体的な問題を解いています。各レイアウトが元映像からどれだけ切り落とすかは、この縦という形に合わせて算出されており、左右分割は左右を、上下分割は上下を切り、その比率はキャンバスが横より縦に長いという前提から出てきます。目標のキャンバスを横向きの長方形に変えると、この 3 つのレイアウトの切り取り計算はすべて逆転するか成立しなくなります。横向き対応は「ちょっとした調整」ではなく、3 つのレイアウト全部にとって別種の問題になるということです。
縦向き専用であることは、この用途にとって制約とは言えない
リアクション動画、対象を指しながら実況する vlog、1 台の iPhone で撮る 2 人の対談は、まさに同時録画が想定している用途であり、この 3 つはもともと縦向きが自然なコンテンツです——片手で持つスマートフォンで見られることを前提に撮られ、たいていは縦が既定のフィードに流れます。キャンバスをこの形に組むのは、アプリ側の都合による妥協ではなく、届け先が本来求めている形だということです。
どうしても横向きが必要な場合
横向きのタイムライン向けに 2 台の画角を比較するような映像や、スマートフォンのフィードではなく大きな画面での再生を前提にした映像は、ライブ合成の同時録画がそもそも想定している仕事とは別物です。その場合は、標準カメラアプリで 1 台のカメラを普通に横向きで撮るほうが——合成もクロップの予算調整も不要な、きれいな 16:9 のフレームが得られるので——縦向き前提のツールを無理に横倒しにするより、たいてい良い結果になります。同時録画と横向き映像は、異なる種類のカットのための異なる道具であって、設定が1つ足りていない同じ道具ではありません。
よくある追加の疑問
録画中に端末を横に倒すと、映像も横向きになりますか。
なりません。キャンバスの寸法は合成器を組み立てる時点で固定され、端末の向きから読み取られるものではないので、端末を倒しても縦長のフレームを握る角度が変わるだけで、録画が横に広がることはありません。
撮り終えた縦向きの動画を、あとから横向きファイルにできますか。
左右に黒帯を入れた横向きの枠に収めることはできますが、それは空白を足しているだけで新しい画が増えるわけではありません。合成済みのキャンバスは録画時点ですでに確定しているので、あとから引き出せる余分な幅はありません。
これは iPhone のハードウェアの制限ですか、それとも設計上の選択ですか。
設計上の選択です。マルチカメラのハードウェア自体は向きを問いませんが、DualCam は iPhone の縦向き専用として作られており——iPad やシミュレータでは動きません——キャンバスも 3 つのレイアウトもその切り取り計算も、最初から縦の映像を前提に設計されているためです。
とにかく撮ってみたいなら
DualCam は iPhone の前面・背面カメラを同時に動かし、撮りながら 1 本の MP4 に合成します。無料、アカウント不要、広告なし、映像は端末の外に出ません。