iPhone の同時録画でマクロモードは使えますか
結論から言うと、自動では使えません。iPhone のマクロは、被写体に近づいた瞬間にシステムがこっそり超広角レンズへ切り替える機能で、この切り替え自体がシングルカメラのキャプチャセッションだからこそ持てる能力です。前後同時録画に必要なマルチカメラセッションは仕組みが違うので、システムが代わりに判断してくれるこの自動切り替えは行われません。
だからといって背面カメラで近距離の接写が撮れないわけではありません。レンズ選びをシステムに任せる代わりに自分で行うだけで、仕組みを理解していれば実際の運用上の差はそれほど大きくありません。
マクロモードが実際にしていること
マクロに対応した iPhone では、標準カメラアプリ上、背面カメラは連続したひとつのズーム範囲として見えています。この単一の操作の裏側には、複数の物理レンズ——超広角・広角・望遠——をまとめて持つ仮想キャプチャデバイスがあり、ピンチ操作や被写体との距離に応じてレンズを切り替えています。マクロはその切り替えの一種です。主レンズではピントが合わなくなる距離まで近づくと、システムは最短撮影距離がずっと短い超広角レンズへ画面を引き継ぎます。画面に出る 0.5x のバッジは、この自動的な引き継ぎが起きたサインです。
この切り替えのロジックはレンズ自体には存在しません。複数の物理レンズを 1 つの連続した操作にまとめる仮想デバイスの中にあり、それが成立するのは背後がシングルカメラセッションで、このような判断を代行する余地があるからです。
マルチカメラセッションで同じ引き継ぎができない理由
前後同時録画には AVFoundation のマルチカメラセッションが必要で、カメラハードウェアへの接続の仕方が異なります。複数のレンズをまとめて持つ仮想デバイスにではなく、カメラ入力 1 つにつき 1 つの具体的な物理レンズへ接続します。同時録画アプリでレンズの範囲を超えてズームしても標準カメラアプリのように次のレンズへ滑らかにつながらないのも同じ理由です——その判断をする仮想デバイスが経路の中に存在しないからです。マクロの自動切り替えもまさにこの種の判断なので、同じ理由で使えません。
これは DualCam が何かのスイッチを切っているわけではありません。マルチカメラセッションが何に接続できるかという制約の結果であり、背面レンズの選択が手動のピッカーになっていることや、解像度の選択肢がシングルカメラ録画より限られていることと、根は同じです。
代わりにできること:自分で超広角を選ぶ
DualCam の背面カメラは超広角・広角・望遠を手動で選べるピッカーとして提供され、そのときの iPhone に実際に搭載され、マルチカメラのフォーマットで動かせるレンズだけが並びます。超広角を自分で選べば、マクロが接写のために借りているのと同じ物理レンズを使うことになり、超広角レンズはもともと主レンズよりずっと短い距離でピントが合う設計です。超広角のまま被写体に近づけば、マクロに近い、近距離で広めのショットが撮れます。違うのは、レンズをシステムが切り替えるのではなく、自分で選ぶという点だけです。
失われるのはあの継ぎ目のない自動感です。近づいても画面に 0.5x の表示が自動で出てくることはなく、離れても主レンズへ自動で戻ることもありません。超広角を選んだら、自分で切り替えるまでずっと超広角のままです。
録画を始める前に決めておく
背面レンズの選択は解像度と同じく、録画が始まった瞬間に固定されます。レイアウト、ワイプの位置・サイズ・形、カラーフィルタは撮影中に変更できますが、どの背面レンズを使うかは変更できません。料理や商品、手元の細かい作業など近距離の接写が欲しいカットがあるなら、必要になってから切り替えようとせず、録画を始める前に超広角を選んでおいてください。
近づいたら画面をタップしてピントを合わせます。ピントと露出はタップした側のフレームに紐づくので、前面でも背面でも、近距離の被写体をシャープに撮るのに特別な操作は要りません。
よくある追加の疑問
標準カメラアプリが自動で出す 0.5x のマクロ表示は DualCam でも出ますか。
出ません。あの表示は標準カメラアプリが使う仮想キャプチャデバイスのもので、マルチカメラセッションはそこに接続しません。代わりに背面レンズピッカーから超広角を手動で選んでください。使っているのは同じ物理レンズです。
撮影中に近距離が必要になったら、超広角に切り替えられますか。
できません。背面レンズの選択は解像度と同じく、録画が始まった時点で固定されます。近い距離のピントが必要なカットがあるなら、録画を始める前に決めておいてください。
手動で選ぶ超広角の接写は、Pro モデルのマクロモードと同じ画質になりますか。
マクロが借りているのと同じレンズを使うので、近距離で広めのショットとしては近い結果になります。失われるのは自動的な引き継ぎだけで、レンズを選ぶのも近づくのも自分で行うことになります。
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