iPhone のデュアルカメラ同時録画でスローモーションは使えますか
使えません。デュアルカメラ録画では前後どちらのカメラも秒間30フレームに固定されていて、どちらか一方だけをスローモーションに切り替えることはできません。これは付け忘れられた設定項目ではなく、スローモーションにはまったく別の種類の撮影が必要で、すでに2つのカメラを同時に動かしているセッションには、そのために割ける余裕が残っていないということです。
以下では、なぜそうなるのか、スマートフォンのスローモーションが実際には何をしているのか、そして本当にスローモーションが必要な瞬間には何を撮ればよいのかを説明します。
そもそもスローモーションは何によって成立しているか
スローモーションは撮った後にかける再生上のトリックではなく、撮影の時点から始まっています。スローモーションで撮っているカメラは、その動画が最終的に再生される速度よりもずっと多いフレーム数を毎秒記録しています。iPhone でよく使われるのは秒間120フレームや240フレームで、通常の動画は秒間30フレームで再生されます。その余分なフレームを通常の速度で再生すると、現実の1秒間が4秒、8秒という長さの映像に引き伸ばされ、その間に実際に撮られていたフレームがあるからこそ、引き伸ばした映像がカクつかず滑らかに見えます。
これは1台のカメラだけを使う場合でも特殊な撮影モードです。センサー、画像処理のパイプライン、書き出されるファイルのすべてが、通常の録画より毎秒多くの仕事をこなしています。標準カメラアプリがスローモーションを常時オンにしておく設定ではなく、独立した1つのモードとして扱っているのはそのためです。
すでに2台同時に動かしているセッションになぜ余裕がないのか
マルチカメラセッションでは、各カメラが自由に振る舞えるわけではありません。セッション内のすべてのカメラがマルチカメラ対応と明示されたフォーマットで動く必要があり、そのセッションで同時に走っているものすべて——2系統の映像、リアルタイムの合成処理、エンコード——を合わせたコストが、1つのハードウェア予算に収まらなければなりません。高フレームレートのフォーマットは、1台のカメラだけで使ってもすでに高コストなフォーマットです。それを2台分セッションに詰め込み、同時録画がもともと支払っている他のコストの上に重ねるのは、通常の秒間30フレームのストリーム1本分にわずかに上乗せする程度の話ではなく、何倍ものコストになります。
DualCam の撮影設定が 720p と 1080p の2つしかなく、どちらを選んでも秒間30フレームに固定されているのはこのためです。メニューのどこかにもっと速い選択肢が隠れているわけではありません。それを提供できるフォーマットは、そもそもマルチカメラセッションが動かせるフォーマットではないのです。
撮った後で通常の同時録画を遅くする
通常の動画編集アプリは、トリミングや音楽の追加と同じように、デュアルカメラの映像でも速度を落とすことができます。これは同時録画に特有の話ではなく、普通の編集操作です。ただし、編集アプリにできないのは、そもそも撮られていなかったフレームを取り戻すことです。秒間30フレームで撮った素材には、1秒につき実際のフレームが30枚しかなく、それをより長い再生時間に引き伸ばすには、編集アプリが間のフレームを自分で作り出すしかありません。既存の1フレームを長めに表示するか、手元にある前後2枚のフレームから動きを推測するかのどちらかです。
軽く遅くする程度なら、その作り出された動きも十分見られますが、遅くする度合いが大きくなるほど、特に画面内で速く動いているものがあるところほど、ぼやけたりカクついたりし始めます。ちょっとした強調としては使えますが、実際に高フレームレートで撮影された映像の代わりにはなりません。
本当にスローモーションが必要な瞬間は、別に撮る
水しぶきが上がる瞬間、技の着地、何かが壊れるまさにその瞬間など、スローモーションがカットの中で実際に意味を持つ場合は、その部分だけ別テイクとして撮るほうが確実です。標準カメラアプリのスローモーションモードで、実際に遅くしたい1台のカメラだけを使ってその瞬間を撮り、デュアルカメラの部分——自分の反応、ナレーション、2カメラの構図——は別の通常速度の録画として撮ります。あとは編集アプリで、他の素材を挿入するのと同じように2つをつなぎ合わせます。
テイクが1本増える手間はありますが、スローモーションが必要な瞬間にはスローモーション用に作られた撮影モードを、2つの顔が同時に必要な瞬間にはそのために作られたセッションを、それぞれ使えることになります。1つのモードに両方の役割を担わせずに済みます。
よくある追加の疑問
前後カメラを同時に録画しているときに、スローモーションを使えますか。
使えません。デュアルカメラセッションの撮影設定は 720p と 1080p の2つだけで、どちらも秒間30フレームに固定されています。同時録画の中で切り替えられるスローモーションの選択肢はありません。
撮った後に編集アプリでデュアルカメラの映像を遅くすることはできますか。
できます。通常の動画編集アプリは、他の動画と同じようにデュアルカメラの映像も遅くできます。ただし遅くするほど粗さが目立ちます。編集アプリは実際に速く撮られた映像を再生しているのではなく、秒間30枚の実フレームを引き伸ばしているだけだからです。
本物のスローモーションとデュアルカメラの映像を、1本の動画の中に両方入れる方法はありますか。
1回の撮影ではできません。標準カメラアプリのスローモーションモードでその瞬間だけ別に撮影し、デュアルカメラの部分は別の通常速度のテイクとして撮って、あとで編集アプリで2つのクリップをつなぎ合わせてください。
とにかく撮ってみたいなら
DualCam は iPhone の前面・背面カメラを同時に動かし、撮りながら 1 本の MP4 に合成します。無料、アカウント不要、広告なし、映像は端末の外に出ません。