DualCam

前後カメラ同時撮影で卒業式を撮る方法

卒業式はほとんどが待ち時間でできています。名前が順番に読み上げられていき、壇上は表情が見えないほど遠く、そして——ほんの数秒だけ——自分の子どもの名前が呼ばれ、壇上を歩くその瞬間のために、ここまで来たことになります。前後カメラを同時に録画する撮り方はこの場面によく合います。背面カメラが壇上を捉え、前面カメラがそれを見ている自分の表情を捉え、両方が同じファイルの同じ瞬間に記録されます。スマホを2台構えたり、どちらか一方の画角を選んだりする必要がありません。

卒業式が普通のリアクション動画と違うのは、その一瞬までの待ち時間の長さです。式は1時間を優に超えることも珍しくなく、そのほとんどが自分の子どもではない名前です。デュアルカメラ録画には、その間ずっと一時停止しておいて、自分の番になってから再開するというボタンがありません。

一時停止ボタンがないので、式次第そのものが編集の切れ目になる

デュアルカメラ録画は、録画ボタンを押した瞬間から停止ボタンを押す瞬間まで、一続きのファイルとして進みます。他の人の名前が四十分読み上げられている間そこで止めておいて、自分の番になった瞬間から続きを録る、ということはできません。式全体をそのやり方で録ろうとすると、1本のとても長いファイルの中に、本当に大事な瞬間がどこかに埋もれてしまい、自分とは関係のない名前のためにもストレージとバッテリーを等しく使うことになります。

もっとよい方法は、式次第そのものを一続きの録画としてではなく、切れ目の一覧として読むことです。自分の子どもの名前が呼ばれる1つか2つ前から新しい録画を始め、席に戻ったところで止めます。入場のシーンや、最後に帽子が舞い上がる瞬間も残したいなら、それぞれ別の短い録画として撮っておくほうが、通しで1本回し続けるより確実です。

壇上を歩く場面はピクチャ・イン・ピクチャ、式のあと家族が集まってきたら分割へ

自分の子どもが壇上を歩くのを見ている間は、ピクチャ・イン・ピクチャが自然な選択です。背面カメラが舞台で画面いっぱいになり、自分の表情は小さな窓に収まって、見ているまさにその瞬間の表情を十分な近さで捉えられます。この瞬間は2つの映像が同じだけの広さを持つ必要はありません。舞台が主役で、自分のリアクションはその隣に添えられる小さな層で十分です。

実際に切り替える価値があるのは、たいていその直後です。式が終わって、みんなが子どもの周りに集まって写真を撮ろうとする瞬間——祖父母、きょうだい、友人が一気に寄ってきます。式の間は1つの表情さえ収まればよかった隅の小さな窓では、これほどの人数は収まりません。ここで上下分割に切り替えれば、両方のカメラの横方向の範囲をまるごと残せて、より多くの人を画面に収められます。切り替えはその場でファイルに反映されるので、出かける前にどちらか一方のレイアウトに決めておく必要はありません。

舞台は明るく、自分の席はたいていそうではない

卒業式の会場は、客席よりも舞台をずっと明るく照らす傾向があります。スポットライトや舞台照明が壇上に当たり、客席側は普通の会場照明か、それすらないこともあります。iPhone の各カメラは自分が見ている範囲だけを基準に露出を決めるので、明るく照らされた舞台を向く背面カメラと、暗めの席にいる自分を向く前面カメラは、たまたま同じ画面に収まっただけの、まったく別の露出の問題を解いていることになります。これはどのデュアルカメラ撮影でも起きる、明るい背景の前で顔が暗く沈む現象と同じ理屈です。

これは自分の名前が呼ばれそうになってからではなく、その前にやっておく必要があります。2つの映像が合成されて録画ファイルに書き込まれたあとには、別々のレイヤーは残っていません。暗く写ってしまった表情を、あとから適正露出だった場合の明るさに戻す方法はありません。

ズームとレンズは式が始まる前に決めておく。名前に耳を澄ませながらではなく

卒業式の壇上は、たいていの席からある程度離れていて、表情がわかる大きさにするにはある程度のズームが要ります。ピンチズームは他のカメラアプリと同じように、いま選ばれているレンズの範囲内で寄っていく操作です。もし自分の iPhone の背面に望遠レンズがあるなら、式が始まる前にそれを選んでおくと、広角レンズをデジタルズームで寄せて画質を落とすよりも、実際に使える寄り幅が広がります。

どの背面レンズを使うかは、デュアルカメラアプリが録画中に変更できるものの一覧には入っていません。レイアウト、ワイプの位置、サイズ、形、フィルターは録画中でも変えられますが、レンズだけは変えられません。名前が読み上げられ始める前の静かな数分のうちに、レンズと、だいたいどのくらい寄るつもりかを決めておきましょう。式がもう自分の順番に近づいてから慌てて操作するよりずっと確実です。

1本のマイクが拾うのは会場全体で、司会の声だけではない

デュアルカメラ録画が記録する音声は、iPhone 本体のマイクからの1本のトラックだけです。司会が名前を読み上げる声専用のトラックと、自分たち用の別のトラックがあるわけではありません。大きな会場では、そのトラックには拡声システムの音、まわりの人の話し声、自分の席の近くで起きていること、そして数人後の名前のために別の家族が上げる歓声まで、すべてが同じ録画に混ざり込み、あとから分けることはできません。

これは知っておくだけで十分です。壇上のマイクで直接拾ったような、司会の声だけをくっきり聞き取れる録音を期待しないことです。この録画が実際に得意なのは、他の場面と同じことです。何が起きていたかと、そのとき自分がどう反応したかを、放送品質の会場音声としてではなく、1つのファイルの中にペアで残すことです。

ファイルをどこに送るかは、あとで自分で決められる

卒業式の映像は、たいていその場にいなかった人たち——卒業した本人、他の家族、写真を待っているグループチャット——に送るために撮られます。それはあとから自分の手で行うことで、DualCam の背後にサーバーはないので、撮影しているあいだ何もアップロードされず、解析もされません。各テイクはサムネイル付きで iPhone 内のアプリ自身のライブラリにとどまり、写真アプリへ保存するか自分で共有するまでそこから動きません。式全体を1本の長い録画にするのではなく数本の短い録画に分けておくと、どれを実際に送る価値があるか自分で選べるという利点もあります。誰かに1時間分の名前の中から大事な数秒を探させずに済みます。

よくある追加の疑問

順番がはっきりわからないとき、自分の子どもの名前を確実に録るにはどうすればいいですか。

その瞬間が過ぎてしまうと巻き戻す方法はありません。デュアルカメラ録画は録画ボタンを押したあとに起きたことしか記録しないためです。名前を聞いてから反応するのではなく、順番の1つか2つ前から録画を始めておきましょう。冒頭の数秒が無駄になるほうが、壇上を歩く瞬間を逃すよりずっと軽く済みます。

式のあとの写真撮影で、家族全員を画面に収めることはできますか。

ピクチャ・イン・ピクチャは1つの小さな窓のために作られていて、大人数には向きません。子どものまわりに人が集まり始めたら上下分割に切り替えましょう。両方のカメラの横方向の範囲をまるごと残せるので、1〜2人分を想定した固定の小窓より多くの人数を収められます。

舞台はきれいに見えるのに、自分の表情だけ暗く写るのはなぜですか。

2つのカメラはそれぞれ独立に露出を決めます。舞台がはっきり見えるほど明るく照らされていると、その瞬間が来る前に自分の表情が映っているほうのフレームをタップしておかない限り、比較的暗い客席側は暗く写ってしまいます。これは前もってやっておく必要があります。フレームが録画されたあとには、明るさを調整できる別のレイヤーは残っていません。

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