iPhone の前後カメラで同時に書評・読書系動画を撮る方法
書評動画は「カメラに見せるために掲げるモノ」と「それに反応し語る顔」という、多くのハンズオン系コンテンツと同じ形をしています。ただしこの「モノ」は少し特殊です。本は表紙を見せて閉じているときはおおむね縦長ですが、開いてページや見開きを見せた瞬間に横長へと変わり、手の中でははっきり読めた一行が、スマートフォンサイズの動画に書き込まれた途端、読めない四角形になってしまうことがあります。前後カメラを同時に録画すれば、最初のひと言を話し始めた瞬間から表紙や本文と自分の反応が同じファイルに収まり、あとから表紙のクローズアップだけ別撮りして編集でつなぐ必要がありません。
同時録画そのものの一般的な設定はほかのページで扱っています。ここでは書評に特有の話をします。閉じた表紙と開いた見開きで形が変わる本にどのレイアウトが合うか、光沢のあるブックカバーの反射が自動露出とぶつからないようにする方法、読み上げた一節を見て読める・聞き取れる状態にする方法、そして複数冊を扱う回をどう分けて撮るかです。
閉じた表紙と開いた見開きは、形がまったく違う
本を閉じたまま掲げると、表紙はおおむね縦長です——横より縦が長い——これは同時録画が書き出す縦長のキャンバスの形にかなり近い比率です。ところが本を開いてページや見開きを見せた瞬間、フレームの中のその「モノ」は横長に変わります——縦より横が長い——縦長のキャンバスには、増えた横幅を収める場所がありません。
背面カメラがフレームを埋めるワイプなら、何も調整しなくてもこの2つの形の両方に対応できます。フレームに映っているものがどんな比率であっても、元の映像はキャンバスに合わせて全体が拡大縮小されるだけなので、閉じた表紙も開いた見開きも同じ長方形の中で大きくなったり小さくなったりするだけで、端が切り落とされることはありません。左右分割はむしろ見開きの問題を悪化させます。縦のキャンバスに収めるために元映像を左右それぞれ約4分の1切り落とすので、その切り落とされる4分の1こそ、見開きの外側の端がある場所だからです。上下分割は横幅をそのまま保つので、表紙のカットとページをめくるカットを行き来する書評には、上下分割のほうが安全です。
光沢のあるブックカバーは、何もしなくてもカメラとぶつかる
ラミネート加工されたカバーや装丁は、角度が悪いと鏡のように光を反射し、頭上の照明ひとつ、窓ひとつでも、表紙の一部を真っ白な反射で塗りつぶしてしまうことがあります。この反射は、そばで見上げている肉眼だけでなくカメラにもそのまま写り込みます。本を光源に対して数度傾けるほうが、スマートフォン側を動かすよりたいてい効果的です。反射は光源と表紙とレンズの角度の関係で決まるのであって、カメラ自体がどこを向いているかとはあまり関係がないからです。
同時録画では前面と背面のカメラがそれぞれ独立に露出を決め、自分が見ているフレームだけを基準にします。そのため背面カメラのフレームで表紙の一部が反射で白飛びしていても、小窓の中の顔の露出には影響しませんし、その逆も同じです。反射が画面に出たら背面カメラのフレームをタップしてください。ピントと露出がそこに固定されます。反射が画面全体ではなく一点のハイライトであれば、光源を少しずらすか本を数度傾けるほうが、タップで補正しようとするより効果的です。問題は角度であって、露出値ではないからです。
表紙の文字や読み上げる一節を、実際に読める状態にする
同時録画が書き出すキャンバスの幅は1080ピクセル固定で、ワイプの小窓や分割で切り取られた半分の映像は、そこからさらに縮小されてサンプリングされます。小さな文字で組まれたタイトルや、視聴者に一時停止して読んでほしい引用文は、手に持った本をなんとなくカメラへ向けるだけでは足りず、レンズをもっと近づけ、レイアウトも元映像により多くの余地を残す必要があります。
使用する背面レンズは録画が始まると変更できないので、録画ボタンを押す前に決めておいてください。背表紙の文字や小さな説明文を読めるようにしたいなら、超広角で離れて撮るより、標準(メイン)レンズで近づいて撮るほうがたいてい良い結果になります。同じ距離であれば超広角のほうが写る範囲が広い分、本がフレームの中で占めるピクセル数は少なくなるからです。1080ピクセル幅のファイルに書き込まれたときに文字が生き残るかどうかを決めるのは、レンズそのものではなく、そのピクセル数だからです。
一節を読み上げるのに必要なのは音量ではなく距離
同時録画の音声トラックはカメラごとではなく全体で1本で、その時 iOS が選んでいる入力から録られます。一節を声に出して読み上げる場面はまさに、どんな設定よりもマイクとの距離がものを言う瞬間です。読み上げる間だけ端末を口元へ数センチ近づけ、読み終えたらまた普段の距離に戻してください。本を掲げて見せるだけの場面までそこまで近づける必要はありません。
端末のスタンドを置いているのと同じ面に本を置かないでください。新しい箇所に進むときにハードカバーの本を置くと、その振動が面を伝って端末底面のマイクへ直接届きます。片手で本を持ち、もう片方の手でページをめくっていると、つい無意識にやってしまいがちな動作です。
複数冊を扱う回は、1本の長い素材ではなく何本かのテイク
同時録画は録画開始から停止まで一続きで、途中で一時停止する方法はありません。複数冊を扱う回にはもともと自然な区切りがあります——1冊ごとの境目です。1冊につき1テイク、それに加えて冒頭の挨拶や最後の総合評価に別テイクを用意するほうが、全冊を通しで1本の連続した素材に収めようとするより扱いやすくなります。
短いテイクに分けることは、発熱の面でも有利です。長く回し続けるほど発熱は積み上がり、2系統のカメラ経路と GPU 合成が録画している間ずっと同じ発熱の予算を奪い合っています。端末が十分熱くなると、DualCam は新しく始める1080pの録画を開始前に720pへ落とすか、録画中のものをそのまま失敗させずに保存して終えます。1冊ごとにテイクを分けておけば、いちばんきちんと語りたかった1冊の途中でどちらかが起きる可能性はぐっと下がります。
よくある追加の疑問
書評動画はワイプと分割、どちらを使うべきですか。
背面カメラがフレームを埋めるワイプが安全な既定です。閉じた表紙(縦長)と開いた見開き(横長)のどちらにも、端を切り落とすことなく対応できるからです。分割を使いたいなら左右ではなく上下にしてください。左右分割は左右それぞれ約4分の1を切り落とし、そこはちょうど見開きの外側の端が来る場所です。
録画の途中で表紙のディテールを見せるためにレンズを寄せられますか。
できません。使用する背面レンズは録画開始の瞬間に固定されます。レイアウト、ワイプの位置、サイズ、形、フィルタは途中で変更できますが、レンズは録画ボタンを押す前に決めておく必要があります。文字を読ませたいなら、最初から標準レンズで近づいて撮ってください。
部屋の明るさは普通なのに、表紙の一部が白く飛んで見えるのはなぜですか。
光沢のあるブックカバーは角度が悪いと鏡のように反射し、ごく普通の明るさの部屋でもそれがカメラに写り込みます。本を光源に対して数度傾けると、たいてい解消します。反射は光源と表紙とレンズの角度の関係で決まるのであって、露出とは関係がないからです。
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